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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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写真コンテスト

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ミラージュの冒険日誌

2019-04-13 02:07:40.0 テーマ:その他

砂漠の戦い(3)~なりきり冒険日誌【注:ver4.3ストーリーにやや触れてます】

 盾をサーフボード代わりに、砂の波に乗り、私の身体が砂漠に跳ねる。
 さすがのウルベア魔神兵も、この突拍子もない行為には意表を突かれたらしい。
 全て計算づく……とは言わない。偶然の成り行きとリルリラの閃き、そして開けた視界に感謝するだけだ。
 今や私の身体は宙にあった。迫りくるウルベア魔神兵よりさらに高く。4000年、砂中に眠っていた機械の瞳が一斉に空を見上げる。
 私は剣を抜いた。理力を込め、空を裂き、光の束を叩きつける。ギガブレイク!

 白い閃光が走り、数機が倒れる。砂煙が舞い、砂漠に物言わぬ石のオブジェが出来上がる。私はその上に着地し、さらに次の機兵を迎え撃つ。
 振り下ろされる鉄腕をかわし、徐々に沈んでいく足場を飛び回りながら私は剣を叩きつけた。さしあたり、この機兵に次の足場になってもらわねばならない。歯車の間に剣を押し込み、風雷の理力を流しこむ。機械の手足が痙攣し、煙を吹いた。
 ひとまずの足場を確保し、一息ついたのもつかの間、砂の向こうから駆動音が次々と響く。まともにやり合える数ではない。
 そろそろ船に戻らねば……

「ミラージュ!」

 と、リルリラの声。続いて船に置いてきた弓が足場に投げ込まれた。

「戻ってくる前にもうちょっと足止めして!」
「人使いが荒いぞ!」
「仕事熱心なとこを見せてよ」

 やれやれだ。機械並の勤勉さを求められても困るのだが……。
 私は再び弓に矢をつがえた。確かに、ここからなら、船の上よりはじっくりと狙える。
 標的は、空虚な命令を未だ忠実に守り続ける、主なき身の兵士たち。

「少しは休め。体に毒だ」

 といっても機械のことだ。毒など気にすまいが。
 私は黒の理力を矢に込めて、力強く弦を弾いた。続いて、視力の理力を載せた六連射。白と黒の反発が理力を爆発させる。
 砂塵の彼方に爆光が広がった。
 これであのワーカホリック共も、少しは休んでくれるといいが。

「そろそろ足場が沈む。助けてくれ」

 私は船に向けて叫んだ。返事の代わりにロープが投げ込まれた。
 あとは防砂ダムまで一直線。
 こうして、砂漠の戦いは終わりを告げた。
 かつて忠実な兵士だった機械の残骸を、流砂が音もなく飲み込んでいった。

「途中で止まったって良かったのにね」

 リルリラが身を乗り出し、その姿を見送る。

「真面目過ぎたのさ」

 私はヒレについた砂を払いながら相槌を打つ。
 動き出した歯車は止まらない。忠実に、誠実に、歩み続ける。
 彼らがもう少しだけいい加減だったなら、誰もが楽をできただろうに。
 石の骸は、乾いた風にまぎれてもう見えない。

「しかし、いいコンビプレイでしたね」

 難を逃れ、ようやく生き返った表情の学者たちが笑顔を見せた。懐には遺跡からちゃっかり持ち帰った古代の遺物……彼らも相当な仕事好きだ。
 その中に一枚の古びた肖像画があった。
 いかなる技術によるものか、そこに描かれた人物は数千年の時を経てなお、大まかな輪郭を保っていた。

「きっとこの二人も、いいコンビだったんでしょうね」

 ドワーフは感慨深げに肖像画を覗き込む。
 描かれているのはドワーフらしい小柄な女性と、長身の男が一人。
 それがウルベア地下帝国のウルタ皇女と、彼女に仕えた宰相の姿だと判明したのは、その数日後のことだった。

(「砂漠の戦い」終わり。次回「ビーナスの涙」に続く)
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