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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2023-01-08 02:33:40.0 テーマ:その他

スイの社にて(前編)【注:ver6.1までのストーリーに関する記述有り】

 エルトナ大陸中央部。風の都アズランの南に、霧深い湿原がある。
 丈の長い草花が鬱蒼と生い茂り、空は白い靄に覆われて視界も悪い。
 だが一日に数回、霧が晴れると、その陰鬱な景色がたちまちのうちに幽玄な景観に様変わりする。
 中でも目を引くのは湖沼の中にそびえ立つ七階建ての木造塔だろう。古い寺院を思わせる古式ゆかしい七重塔が月と並ぶと、まるで一枚の水墨画のようで、まさに圧巻と言える。
 ここはスイゼン湿原。かつてヤマカミヌなる王国が栄えた地である……というのは、最近の研究で明らかになったことだ。
 塔自体は王国滅亡後に建立されたものだが、塔の地下には今もヤマカミヌ時代の遺跡が眠っている。どうやら土地神を祀る神社であるらしい。
 今回の私の目当てはそのお社である。といっても、魔法戦士団の任務というわけではない。依頼主は……

「ついでにお参りもしていこうか!」

 ミコー・プリーステスの装束に身を包み、お気楽に宣言したエルフのリルリラである。 「初詣にはちょうどいいニャ!」

 猫魔道のニャルベルトも同調する。
 一応、魔物がはびこる迷宮なのだが。

「そういうミラージュも浮かれ気分でしょ。こんな衣装まで用意して」
「伝統は大事だ」

 袴の裾を引くリルリラに私はそう返すのだった。

 *

 リナーシェ様の一件からしばらく、ウェナ海域の荒波もようやく落ち着き始めた頃、エルトナ大陸でも悪神下天の影響が表れようとしていた。
 凶事を告げる禍ツ風が天を覆い、アズランの神鹿たちが暴れ始め……。
 幸い、勇者の盟友殿の活躍で被害は最小限に食い止められたのだが、これをきっかけに英雄ハクオウが身を置いていたという古代ヤマカミヌ王国の存在が明らかとなった。
 王都カミハルムイの歴史学者達は今、空白の歴史を埋める作業に一斉に取り掛かろうとしている。
 カミハルムイ生まれのリルリラは、その学者の一人と面識があった。
 歴史学者ヒモトキ。彼女はある書物の解読に頭を悩ませていた。ヤマカミヌ時代の書簡であり、日記のようなものだという。
 書き手の女性はこのスイの社に参拝し、ある決意を固めたとのことだが……

「そこから先がわかんないから、とりあえず現地に行って手掛かりを探してほしいんだってさ」

 というわけでリルリラが依頼を受け、当たり前のように私も巻き込まれた。
 なんでそんな話を私に持ってくるのか……などとは口が裂けても言えない。いつも巻き込んでいるのはこちらなのだから。
 ま、別に事件というわけでもないし、危険な魔物を退治しろというわけでもない。気分転換にちょうどいいだろう。
 そういうわけで、私も初詣がてら、スイの社に参拝することになったのである。

 *

 地下寺院は地底湖の湿気に覆われ半ば濡れていたが、不思議なことに木造りの鳥居も桟橋も腐食を免れ、ひんやりとした風と微かに灯った灯火が冷厳とした空気を醸し出していた。
 二人と一匹の足音が古代の寺院に木霊する。暗闇の黒、湖面の青、荘厳なる鳥居の赤と、落ち着いた深茶色の木造建築。水滴が鼓を打つような音を響かせ、連なる鳥居が参拝者を導く光景は厳として風雅であった。
 手がかりらしいものは特に見当たらなかったが、とりあえず日記の書き手に倣って土地神の社に祈りを奉げてみることにした。

「何を願おうかな~」
「人が少ない分、ご利益ありそうだニャ」

 エルフと猫はお祭り気分だ。何を願うやら。まあ、あまり贅沢な願いをするものでもないが……
 と、その時だった。

「おやおや、今の時代にお参りに来てくれる者がいるなんてねえ」

 声が響いた。
 社の奥、ほくそ笑むように輝くものがあった。
 二人と一匹は、仰天した。

 *

 その後、あれやこれやのやりとりがあり……
 我々は土地神に乞われるままに当時の祭事を再現し、鼓を打ち、拙い舞を奉げ、手を合わせた。疲れたが、それなりに楽しくもあった。

「いやー、いい汗かいちゃった」

 リルリラが汗を拭きながら笑った。猫もそれに続く。私は後ろで肩をすくめる。それでバランスが取れる。
 社の奥に潜む者は満足そうに瞳を輝かせ、謝礼代わりに、と解読の手がかりを与えてくれた。
 書簡の書き手は名をアオサといい、エルフの英雄ハクオウと近しい関係にある女性だったらしい。
 そこにはハクオウに対する一途な想いと、悲しくも切ない結末が描かれていたのだが……。まあ、そのあたりはヒモトキ氏への報告書にまとめておくとしよう。

「それにしても、ハクオウ、か……」

 大物の名前が出てきたものだ。私は小さく呟いた。
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