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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2024-05-08 23:50:04.0 テーマ:その他

天使が大地を歩くなら(6)【なりきり冒険日誌※ver6.5までのストーリー記述あり】

 天使と私の旅は続く。
 メギストリス王国ではラグアス王子と会見し、無事、同盟を結ぶことに成功した。
 カンティスもヴェリナードの一件で懲りたのだろう。書類の束を押し付けるようなことはせず、一歩引いた形で議事に臨んだ。
 それでも細部のすり合わせには随分苦労もしたし、混乱もあった。
 国が違えば種族も違うしやり方も違う。
 街を行くプクリポたちの幼児のような愛らしい仕草と、宮廷官僚の鋭く冷徹な態度の落差にも相当悩まされたようだ。

「どうもプクリポという種族には二面性があるらしい」  天使は憮然と呟いた。私は軽く笑みを浮かべた。

「……ま、どの種族も大なり小なりあるでしょうな。私も天星郷では苦労しましたよ」
「……?」

 カンティスは何のことだかわからない、とばかりに首を傾げた。私は失笑をこらえるのに苦労せねばならなかった。
 高飛車で高圧的。差別主義と思えるほど高慢かと思いきや、妙に律儀で生真面目なところがあり、一度心を開くと逆に素直で従順ですらある。第一印象との落差というなら、彼らも相当なものだった。

「……落差と言えば、あの王……いや、王子か」

 と、天使は話題を変えた。メギストリス城の若き君主、ラグアス王子のことだ。  豪奢な玉座にちょこなんと納まる王子の小さな姿には、カンティスも驚いたようだ。
 勿論、父王が急逝し跡を継いだことは事前に調べて知っていただろうが、実際に目にすれば感想はまた変わってくるものだ。

「君主があそこまで幼いと、周りも苦労が絶えんのだろうな……」

 天使は同情的に眉を垂れ下げ、瞑目した。フム……? 脳をよぎる違和感。私は顎に手を当てた。
 確かにラグアス王子は若い。若さを理由に、君主となった今でも王を名乗らず王子で通しているほどだ。
 だが……

「どうした?」

 カンティスは怪訝そうに私を見た。

「いや、確か王子は……」

 指折り数え、私は頷く。

「確か14……いや今は15ぐらいだったか……」
「はっ?」

 カンティスは素っ頓狂な声を上げた。宮殿を振り返る。兵士たちが敬礼を返す。慌てて目を逸らしながら彼は唸った。

「7~8歳ぐらいかと思ったぞ……」
「プクリポを見た目で判断すると痛い目を見る、と言いますな」

 中央広場をプクリポの群れが走り去っていった。どれが子供でどれが大人なのか、私には見分けがつかない。
 ムム、と唸りながらカンティスはそれを目で追う。どこか剽軽なその光景に、私は思わず噴き出した。

「気にする必要はないでしょう。それに一つ言っておくなら、天使の年齢だって、私には分からんのですよ」

 小さな住民たちの笑い声を乗せて、静かに風車が回る。
 カンティスは大きく息を吐き出しながら、スライム型に刈り込まれた街路樹を見上げるのだった。
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