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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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ミラージュの冒険日誌

2024-05-19 19:37:25.0 テーマ:その他

天使が大地を歩くなら(10)【なりきり冒険日誌※ver6.5までのストーリー記述あり】

 レンダーシアを巡り、そしてエルトナへ。各国との同盟を果たし、天使の旅もようやく終わりが近づきつつある。
 後は細々とした手続きを片付けるのみ。
 私もやっと肩の荷を下ろせるというものだ……
 ……などと考えていた、まさにその時だった。
 私の元に、早馬が駆け付けた。
 使者は語る。ヴェリナードに異変があり。
 しかも、その異変というのが……

「ジア・クトと関連しているかもしれない、と?」

 ウェナからの使者は深刻な表情で頷き、書状を差し出した。  ヴェリナード西部、クエド地方。人里離れた辺境の地に、小さくも頑強な砦がある。
 この地を守るのは、ヴェリナード王国の兵士ではない。
 白き鎧とビロードのマントに身を包み、光り輝く盾と、岩をも貫く剣技をもって魔を退ける守護の騎士。
 人呼んで守護騎士団。またの名をガーディアン。
 各国より集められた精鋭中の精鋭部隊である。  彼らの任務は、古の昔、かの地を襲った魔神、ストレザーテの封印を監視することだった。
 クエド近辺にはストレザーテの力を宿す眷属が頻繁に出現する。
 それが世界の脅威となる前に発見し、処理するのが彼らの仕事だった。

「だがその眷属どもの出現サイクルが極端に短くなっている……ということらしい」

 ちょうどジア・クトが侵攻を開始した頃からだ。
 危機感を抱いたガーディアンは各国に支援を要請。かくして魔法戦士団の出動とあいなった。

「ジア・クトと魔神か……」

 私は黙考した。
 そもそも魔神とは、アストルティアの外から襲来した、知性ある強大な魔物の総称である。
 ジア・クトもあえて分類するなら、魔神の一種ということになるだろう。
 同じ魔神同士、ジア・クトの侵攻がストレザーデの封印に何らかの影響を与えてしまったのか。
 それとも……ストレザーテ自身、実はジア・クトの"ひとかけら"だったのか。
 突飛な発想かもしれないが、何しろ彼の邪神ジャゴヌバがジアの尖兵にすぎなかったのだから、あり得ないことではない。

「天使の意見を聞こう」

 私はカンティスに水を向けた。

「正直、わからんな」

 天使は首を振った。

「だが確かめる価値はある。いや、確かめる必要がある」

 こうして、カンティスの地上での最後の仕事が決まった。
 ルーラストーンが煌めく。
 天使の二度目の来訪に、ヴェリナードの官僚たちは、ちょっと驚いた。

 *

 封印されし魔神との戦いは熾烈を極めた。
 魔神の眷属は群れを成し、襲い掛かる。迎え撃つのは守護騎士団、そして援軍として駆け付けた魔法戦士団である。  急ごしらえの混成部隊とはいえ、連携はとれていた。 
 守護騎士団のダンディオ団長が気合と共に檄を飛ばすと、白い鎧のガーディアンが陣を整え鉄壁の砦となる。
 魔法戦士団のアーベルク団長が理力と共に剣を掲げれば、赤い帽子の精鋭達が閃光の矢をつがえ、敵の頭上に光芒の雨を降らす。
 秩序だった連携攻撃が、魔軍の勢いを少しずつ削り取っていった。
 決して勝てない相手ではない。
 だが無傷とはいかない。
 そして問題は、戦闘の頻度であった。

「ついに三日と置かずに現れるようになったか」

 守護騎士団本部、何度目かの戦のあとでアーベルク団長がぼやくように言った。ダンディオ団長も重々しく頷いた。
 魔神の眷属は次々と湧いて出た。連日のように戦いが続く。
 守護騎士団は少数精鋭。長期にわたる連戦ともなれば、物資・人員双方の面で補給が最大の懸念事項となる。

「ヴェリナードからの援軍にあらためて感謝しますよ」
「なんの。迅速に支援を要請した貴公の英断あってこそだ」

 アーベルク団長は鷹揚に頷いた。  おかげで別任務に就いていた私まで引っ張り出されることになったのだが……カンティスという戦力を得られたという意味ではそれも英断だったのだろう。

「それで、天使殿の判断は?」

 私はカンティスに意見を求めた。

「今のところ、ジア・クトとの関わりは見られんな」

 カンティスは慎重に発言した。一応、羽は隠してある。

「だが奇妙な気配は感じる」
「気配?」
「ああ、何かに見られているような……いや、気のせいかもしれん」

 天使は首を振った。
 今、天星郷は上空から見下ろす魔眼の月に悩まされている。嘲笑うような視線がトラウマとなり、屋根のない場所に出られなくなった天使すらいる。
 ことあるごとに頭上から気配を感じてしまうのは、そのせいかもしれなかった。

「いずれにせよ、放置できんことは確かだ」

 彼はこの戦いが終わるまでは、天には戻らない腹積もりのようだ。
 天の戦いに地上が手を貸すなら、逆もまた然り。
 カンティスの参戦は、奇しくも天と地の同盟を実証する第一歩となったのであった。
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