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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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ミラージュの冒険日誌

2024-06-17 20:52:34.0 2024-06-17 21:05:29.0テーマ:その他

星空の守り人(6)【なりきり冒険日誌※ver6.5までのストーリー記述あり】

 フライト隊の戦術は想定通りの戦果を上げつつあった。快哉の声が上がる。
 さらに箱舟からの通信が入る。

『報告します。英雄達は目標の破壊に成功……!』

 部隊の高揚は最高潮に達した。
 だがそれも、虚空の彼方から見下ろすような嘲笑が、戦場に響くまでのことだった。 「「評価する」」

 と声は言った。

「「地を這う者どもの、健気な抵抗。儚く無意味にして、愉快」」

 二重三重に滲むような不確かな音声。空間に反響するその声は、四方八方から聞こえてくるようだった。

「見ろ!」

 誰かが上空を指さして声を上げる。
 金属質のスーツに身を包んだかのように輝く肉体。逆立った短髪もまた金属のように硬質だ。そしてその瞳は仮面のように無表情で、無慈悲であった。
 一目でわかった。あれは雑兵ではない。恐らくジアの幹部格。

「ジア・クト流に言うなら、偉大なる原石のひとかけら、という奴か」
「「肯定する」」

 私の呟きに彼女は答えた。

「「ジア・ミラルダ。我の名だ」」  彼女が片手をあげると、虚空が渦を巻き、周囲を取り巻くようにジアの尖兵達が現れた。援軍だ。部隊がどよめいた。かなりの大軍である。
 だが絶望はそれだけではなかった。
 クリュトスからの通信は終わってはいなかった。

『落ち着いて聞いてください、想定外のことが……魔眼砲は、もう一門存在したのです!』

 隊員達の顔色が変わる。ジア・ミラルダの嘲笑がそれに重なる。

『隠された砲門を管理するのはジア・クトの王、ジア・ゲノス自身……そして英雄達は……』

 天使は苦し気に声を絞り出す。

『……フォーリオンの到着を待たず、独力での決着を選択しました』
「何だと……?」

 その言葉を肯定するかのように、魔眼の月の上部が大きくせり出し、ハッチを開く。その内側から巨大な人影が浮かび上がった。
 ジア・ミラルダが天を仰ぎ瞳を細める。

「「ジア・レド・ゲノス。我らが盟主」」  白金のように輝く異形の巨体。沈んだ太陽になり替わるかのように、ゲノスの威容が高くそびえる。
 その足元に、白く輝く巨大な巨大な光輪が現れた。

『あれは天使の光輪……戦いのための足場です!』

 クリュトスが叫ぶ。光輪の上には現代の英雄こと"エックスさん"と導きの天使ユーライザ、そして闘神ラダ・ガートの姿。
 それを取り囲むのが始原の歌姫リナーシェ、英雄王フォステイル、賢哲の盾ドルタムだった。
 ハクオウ、カブ、ナンナの姿は見当たらない。それが何を意味するのか、誰もが理解していた。リルリラが小さく印を切った。
 戦いが始まった。彼等だけの戦いが。
 空が鳴動し、夜に稲妻が走った。

 *

 光と闇の中に浮かび上がる英雄達の戦いは、神話の叙事詩を思わせる壮絶なものだった。
 バタフライトが何度か介入を試みるが、接近すらままならない。
 巨大な光が幾度となくぶつかり合い、爆炎と稲光が光輪の上を交錯する。その流れ弾一つで、我々の乗るバタフライトなど、木っ端微塵に破壊しつくされるだろう。

「畜生ッ!」

 ドワーフの道具使いが悔しげに叫んだ。

「俺達は結局、何もできないのかよ!」

 何かを叩きつける音が響く。

「「否定する」」

 ジアの原石が嗤う。

「「役目がある。お前たちには」」
「何!?」

 ジア・ミラルダは片手を振り、配下の軍勢に何事か命じた。
 
「「見せよ。我らに。絶望に歪む顔を」」

 彼等は光輪に向かって進撃を開始した。ジア・ゲノスの援護……いや、そうではない。彼らの放つ光線が、魔弾が狙い撃つのは天使の光輪そのもの!

「奴ら、足場を破壊する気か!?」

 隊員たちが血相を変えた。光輪が消えれば、英雄達は戦うことすらできなくなる。

「全軍防衛に回れ! 死守だ!」

 バタフライトが急行する。
 焦燥と緊張の中でしかし、私は奇妙な安堵感を抱いていた。
 まだ出来ることがある。
 我々の戦いは英雄叙事詩に描かれることはないかもしれないが、彼等の足場を支えることぐらいはできるのだ。  蝶が輝く粒子をまき散らす。流れていく視野の中で、星が光の線へと変わった。同じ目標を目掛けて、両軍が殺到する。
 ジア・ミラルダは不動。無言でそれを見下ろし続けた。

「おいッ!」

 ドワーフが挑発的な仕草と共に叫んだ。 

「手下任せで高見の見物かよ? 降りてきたらどうだ?」
「「却下する」」

 彼女は薄く笑い、宣言した。

「「大いなる原石は些事には触らず、ただ見下ろすのみ」」

 指揮官が傲然と手を振り下ろす。鉱石の身体を持つ兵士達が速度を上げる。

「「ジア・ミラルダ。睥睨する者の名だ」」

 敵の軌道がバタフライトの軌道に重なる。私は矢をつがえ、歯を食いしばった。
 ここからが本番だった。
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