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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 136

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ミラージュの冒険日誌

2025-02-24 23:56:09.0 テーマ:その他

魔法戦士、南へ(8)【注:ver7.2までのストーリーに関する記述有】

 旅は続く。
 地図が正しければ、あと数刻でシュタールと大陸を繋ぐ架け橋にたどり着くはずだ。その先はタービア草原。いよいよアマラーク王国が近づいてきた。
 飛行型ドルバイクが浮遊する結晶片を避け、左右に揺れる。徘徊する魔物や急な傾斜を見つけると警告を出して地上を行く馬車を先導する。しばらく危険はなさそうだ。ほっと一息。ようやく機嫌を直したリルリラと翼を並べ、ゆるやかに飛ぶ。

 道中、話題に上がるのはあの神狼、そして石碑に刻まれていた神話のことだ。あの狼もよく見ると可愛かった、などと冗談めかして言うのはリルリラの独特の感性だろうか。
 だが神話の続きは決して可愛くはなかった。

 主神グランゼニスは女神ゼネシアの案を聞き終えると、今度はもう一人の女神……末娘のルティアナに意見を求めた。女神ルティアナはこう答えたという。人々が誰も不満を抱かないほどの恵みを与えればよい。そうすれば何も奪い合う必要がなくなり、争いは静まるだろうと。

「どちらが正しいんだろうなあ」

 私はため息とともに呟いた。
 どちらも一理あるようではある。女神ゼネシアの言うとおり、人々は強大な敵を前にすれば一致団結し、敵がいなくなれば互いに争い合う。……双子の勇者と大魔王ゴダの時代から、アストルティアでも何度となく繰り返された負の歴史だ。 「けどそれじゃあ、あの狼さんはずっと悪役だよねえ」

 リルリラはうーん、と首をかしげる。

「女神ゼネシアもな」

 私は付け加えた。
 表向きは人々を導く女神でありながら、実際には大魔王を裏から操る黒幕……もはや人類の敵そのものだ。その悪役を永遠に、完璧に演じ続けることが女神ゼネシアの考えの大前提にある。

「それと……誰もそれに気づかないことも、だよね」

 と、今度はリルリラが付け足した。
 つまり、人類が永遠に無知で、彼女の創り出した善と悪の箱庭の中で遊び続ける子供であり続けること。それが彼女の出した答えだったのだ。
 一方で女神ルティアナの案は一見すると平和的に見える。
 だが永遠に全ての人類を満足させ続ける、そんなことが可能なのだろうか。

「んー、いくら神様でも難しそうだよねえ」
「まあ……我々の尺度では測れんことではあるが……」

 人の欲望には限りが無い。その全てを満足させ、あらゆるものを与え続ける。……のちに創世の女神となるルティアナ神ならば可能なのかもしれないが、途方もない話である。

「それに、ある種の怖さも感じるな」

 私は以前、天星郷に遺された文献でこんな話を読んだことがある。

 舞台は私の育ったレーンとよく似た、片田舎の漁村。人々は裕福ではないが日々漁にいそしみ、それなりの暮らしを築き上げていた。  そんな村にある時から、ヌシ様と呼ばれる海の神が訪れるようになったのだ。
 ヌシ様は彼等に恵みをもたらし、暮らしを豊かにした。やがて村人たちは漁に出る必要もなくなり、毎日をダラダラと遊んで暮らすようになってしまった。
 ……だがヌシ様が去ってしまえば、そこに残るのは……。

 堕落しきったその村は一人の少女のひたむきな訴えと、不思議な旅人の力によって救われたというが、その後の"復興"には相応の苦労もあったようだ。
 女神ルティアナの案も突き詰めていけば、これを世界規模にまで拡大した話でしかないのかもしれない。

 結局、グランゼニスはどちらの案も承認しなかった。彼が選んだのは、ただ見守り続けること。何度過ちを犯そうとも、彼らを箱庭に閉じ込めることも支配することもせず、人類を信じ、愛し続けることだった。
 それは何よりも重い覚悟と、深淵なる慈愛のなせる業だったに違いない。
「神様ってさ」

 と、リルリラは呟いた。

「おつらいお仕事だよね」
「そうだな……」

 一つだけ言えるのは、この世界がかつて神に愛された世界だったということだ。
 ジア・クトが滅ぼすまでは。
 ひび割れた大地にジア結晶がそそり立ち、ギラリと輝く。

「今もでしょ」

 リルリラが訂正する。

「そのために女神様が頑張ってるって、言ってたじゃない」
「そうだな」

 私は再び頷いた。
 ゼニアスはまだ滅んではいない。浮遊する結晶片とシャボンの向こうに、大陸へと続く架け橋が見えてきた。その向こうに広がる、緑豊かな草原も。
 我々の旅も、この色あせた大地に貿易という名の血を注ぎ込み、循環させていく、その第一歩となるかもしれないのだ。

「橋が見えたぞ!」

 私は大声で馬車に叫んだ。御者役を務めるドワーフが大きく手を振った。
 タービアはもう、目の前だった。
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