前回からの続きです。前回は年末に作った分。今回は年始に作った分です。新年早々なかなか良いものが出来て、個人的に満足出来てよかったです。皆さんにも良く思って頂けたら幸いですね。
に ア み う 星
雪 ス れ ち の
は ト ば 出 宮
降 ル 真 で
り テ 白 て
け ィ に
る ア そ
星明の宮でシャッターチャンスを求めて色々探索して写真を撮っていたところ、とても良い写真が撮れました。それと同時に、この写真を見てとある短歌が浮かびました。
万葉集に載っている山部赤人(やまべのあかひと)作の短歌
田子の浦ゆ うち出でてみれば 真白にそ 富士の高嶺に 雪は降りける
まさにこの短歌のような背景だなぁと。本家の解説としては、田子の浦から外に出てみれば、富士山の高嶺が雪で真っ白に染まっていた。という感じです。冬の富士山の荘厳さや優美さを詠んだ歌ですね。
迷うことなくオマージュして、アストルティア風に仕立ててみましたよ。とても良い出来になったので、まちかど掲示板にも掲載する予定です。やはり、過去の偉人が詠んだ歌は秀逸ですね。
短歌の解説としては、季語が雪です。そして、現代語では消えてしまった係助詞そ+連体形のけるで終わる係り結びになっています。真白にそ~降りけるのところです。そは、ぞの係助詞のさらに古いやつですね。奈良時代ではそも使われていたようですが、後にぞになりました。
係り結びとは、簡単に言えば強調や疑問に反語みたいなものです。現代語で言うと、~こそ~だ!とか、~せずにはいられないとか、~だろうか?いやそんなわけはない。的な感じのやつだと思えばいいですね。
今回の意味では、あたり一面が銀世界に染まっている様を強調するのに使っています。
い こ 舞
と の い
を 初 降
か 雪 り
し や る
前作に引っ張られた一品。前の短歌で古語の気分になったので、こちらも古語のいとをかしを採用して詠んでみました。古典の授業でよく聞いた言い回しですよね。意味は多様で、現代語で言うと、まじやべえ まじぱねえみたいな感じだと思えばわかりやすいです。
俳句の解説としては、季語が初雪です。そして、珍しく上の句や文末以外で切れ字を使ってみました。この形で詠むのは難しいので、なかなか使う機会がなかったのですが今回詠めて満足です。
意味合いとしては、ハラハラと舞い落ちるこの初雪の、なんて美しいことか。
眠 蛇 冬
く 姫 眠
な の か
る 姿
は
今年は巳年ですね。蛇姫ちゃんも星明の宮にやってきています。巳年だし、蛇でなんか一句詠みたいなあと思って。まあ安直に蛇x冬で詠んでみました。レンタル衣装が可愛くて良いですよね。蛇姫ちゃんもアラレちゃんみたいで可愛いし。
俳句の解説としては、季語が冬眠です。意味はそのままで、蛇姫ちゃんの衣装を着ていると、何故か蛇になったかのように寒くて眠くなる。冬眠かあ?って感じです。可愛い。
鼻 気 赤
緒 持 い
か を 糸
な 秘
め
た
年末年始に詠んだ作品たちの中で、オマージュの真白を除けば最もよく出来た自信作。とても可愛く仕上がって大満足です。真白の次にまちかど掲示板にも載せたいですね。
俳句の解説としては、季語はなしの無季俳句です。ただ、写真に映る雪や振袖で冬をイメージしています。
意味合いとしては、鼻緒の赤色を運命の赤い糸に例えて、想い人に今から逢いに行く。告白する勇気はないけれど、この秘められた私の気持ちに気付いて欲しい。どうかこの願いが叶いますように。という感じです。
知っていますか?鼻緒は、女性は奥ゆかしくあるべきだとされた時代においては、唯一自由におしゃれが出来る箇所でした。そこを綺麗に飾って、意中の男性にアピールしていたそうです。それを汲んでみました。撮影場所も、願いを願う場所ですしね。なかなかキュンとくる一品ではないでしょうか?