※前回の続き
願いを叶えるとかいう竜に願い事をして数日が経過した
俺はお願いした 可愛くて俺の事大好きな完璧な子 など忘れて野良のデルで遊んでいた
「リンクお願いもうちょっとで倒せるよ」
「あぁ…今更新」
強い魚子に見惚れながら上手い事バトルを進めた
動きも装備も理論値といえるほどの存在感だ
「あーもうちょっとだったのにな」
「大したもんだよ」
彼女はニッコリし、これからもよろしくと言ってきた
もしやこれがあの時の願いで来たかわいこちゃんだというのか
ちょっと格好はイマイチだが
それから俺たちは共に多くの時間を過ごしバトルでの連携も完成されていった
彼女のバトルセンスは途轍もなく、それを支える事だけを考えればいい俺は楽で居心地の良いものだった
今までと違い守られる立場に立った自分も新鮮だった
「ねぇ、くーたんって呼んでもいい?」
「そーいうの嫌いじゃないかも」
そんなこんなで時は過ぎていった
「私達2人なら 最強 になれるよ」
「もうちょっとムードある話しない?」
「私をサポートできるのはくーたんだけで、くーたんをサポートできるのは私だけ」
こんな時でもちょっとバトル脳がすぎる彼女にも俺は充実感を感じていた
きっと彼女はこのまま龍が如く高みへと昇るのだろう
だが俺の方はどうだ
いつの間にか彼女の力に頼りきりで、前線での勘が鈍っていた
「だからねくーたん、ずっと一緒だよ」
本当に俺に必要なのか
これが俺の願いだったのか?
「俺、君の夢に埋もれたくない」
「…どういう意味?」
「俺は与えられるより与える人間でいたいんだ」
「うん?」
「君からは貰ってばかりだから…対等でいたい俺は一緒にはいられない」
「!!」
願いで生まれた存在なのか、願いのせいで俺を好きになったのかわからないが彼女と別れる事にした
だが彼女は恐ろしい形相でこう言った
「そんなに行きたいの?私の手から離れたいの?」
「……」
一体俺は何回裏切ってきたのだろうか?期待をかけられれば裏切って、期待を持てば裏切られて…
「許さないくーたんは私のもの、私はくーたんのもの」
「それでいいと思った、でもなんか違ったみたい…かも」
彼女の形相で声が震えてきた
「駄目…決闘よ」
次の日、斬り合う事に
このままじゃ殺されるか首輪付き人生か
剣で彼女に勝てる気がしなかった
せめて大富豪ならなぁ
決闘の場には彼女が剣を地に突き立てて瞑想していた
闘気が肌に当たりチクチクする
ある程度の修羅場を潜った者にだけ働く勘がある
その勘が言う
殺されるわこれ
「くーたん、行かないで?」
「……」かっこつけて無言で構える
「そう、じゃヤり合うよ」
なんで俺は犬の糞ほどの価値もないプライドが捨てられないんだろう?
走馬灯のように脳に様々な記憶が駆け抜けてきた
目の前の相手に勝てるかもしれない考えも
ガンっ!!
2人の剣が交差する時に俺は
「……だ」
彼女に何かを言いかけた
「え?何…?」
本当に俺のことを好いてくれてる子だ。ちゃんと聞き耳を立ててくれた
その隙を俺は見逃さなかった
ザシュッ
「ゔっ…どうして…」
「君は俺の願いが産んでしまった存在なんだ」
「何を…言って…」
倒れた彼女をそのままに、あのデブに会いに行く事にした
彼女を願いから解いてそれで全部元通りだ
「なぁ、あの願いの事なんだけどさ」
「お前か。今、相方募集の掲示板に返事があってだな」
「もういいんだ、彼女から願いの力を解いてくれ」
「70代エル子から是非にと指名が来ておるぞ、やったな」
「そう、70代…え?」
「まぁ私の力ならお前に相方を作るなどたやすいことだ」
「いや、そうじゃなくてあの魚子ちゃんをさ?」
「お前一体何を言っているんだ?」
「いや…だからぁ…」かくかく…しかじか
「そもそも私が他人を操ったり、魚子を新たに創造したり、そんな事できるわけがないぞ」
「じゃあなんですか?僕は悲劇のヒーロー気取って殺害まがいのことまでしちゃったって事ですか?」
「ほんと何やってんだお前…」
みなさんには チャンス 来てますか?
だったら早く災禍しろやボケが