ティア暦1234年!
恐るべき地獄の帝王が復活し
世界は恐怖のどん底に陥れられた!!
地獄の帝王レスターク
その莫大なカオスは並ぶものがなく
世界最強を争った、10の国の11の騎士団も
彼一人によって壊滅させられた……
しかし。人類は諦めなかった
この絶望的状況から人類を救済する勇者
その出現を、人類はひたすら待ち続けた
その間、帝王には毎日スタースイーツ☆3を
献上し続けるという屈辱も味わっていた
そして。反撃の時はきた
「私がやつを倒してみせる!!!!」
一人の勇者が立ち上がった
勇者はこれまで誰も考えることのなかった策をもって
帝王をほろぼさんとしていた……!
そして、勇者は旅立った
最寄り駅へ徒歩15分
そこから乗り換え合わせて2時間
魔境駅で降りたら帝王のお城直通バスで35分
それを乗り越え、帝王のお城にたどり着く
「ちゃー!本日のスタースイーツを届けに参りましたー!」
侵入は簡単だった
そして、勇者は難なく帝王の玉座にたどり着く
その間取り約25畳
「はじめましてー!
帝王さまに一目あいたくて、ここまできましたー!」
勇者(女)は満面の笑みを浮かべた
帝王の表情が変わるのがわかる
それは、敵意ではなく、憤怒でもない
もっと、優しくて、甘酸っぱいような
そんな感覚を内包している
「帝王さま……」
「ぐ、ごごご……」
見つめあう瞳、通いあう心
勇者(女)が秘めたる策とは
戦わずして勝つこと
血を流すことを嫌い、愛をもって争いを終わらせること
わかりあう道を求め、互いに許しあうこと
「お命ちょうだいいたしましたq(^-^q)」
ではなく、単なる色仕掛けであった