今回、我々取材班はとある密林の奥深くに
未だ文明を持たない生活をしている未開の部族がいるという情報を入手し
ジャーナリズムの求めるまま、某国に広がる密林へと足を向けた。
これは我々がそこで邂逅した先住民、フンババ族に関する記録である…。
なお、貴重な先住民の保護という観点から
彼らの住まう密林がどこにあるかについて、お知らせすることは出来ない。
夏真っ盛りの時期に密林に赴いた我々取材班だったが
都会暮らしに慣れたシティボーイの集まりなせいか
凶悪極まりない密林の現実、もさもさと涌き出る得体の知れない虫に
木々の間から我々を付け狙う猛獣、さらには飲んだらお腹を壊す水といった
数々の洗礼によって極限状態まで追い込まれていた。
「あっちー、まじ帰りたいまる」
「おいばか、いま録音してんだから雰囲気こわすな!」
…ごほん。そして、それらの試練にも負けず前進を続けた我々は
ついに出会ったのである。
未開の部族、フンババ族に…!!!!
「フンババーーーっ!!!」
そう、彼らこそはフンババ族。
この密林奥深くで暮らす未開の部族。
「フンババーーーーっ!!!」
なんかフンババフンババうるさい。
「フンババドッコイショーーッ!!!」
彼らは未開の部族であり、その生活は自給自足。
今日も全力で狩りをする。
「フーンババ、フンババババーン♪」
狩りで獲物を得たあとはこのように太鼓を打ち鳴らし
収穫を祝う。
「未開の部族のくせに太鼓あるんすね」
うるせえだまってろ。
「フンババコーンガっ、フンババフフーン♪」
狩りを終えれば汗もかく。疲れた体を洗い流し、労る風呂の習慣もまた
世界共通だ。フンババ族もまた、1日の終わりには
自宅のシャワーで汗を流す。
「いやシャワーて。未開の部族のくせにシャワーて。
班長、なんかおかしいすよ。こいつら絶対ビジネス部族すよ。
実は文明開きまくってますよ絶対。文明開化の音がしますよ。」
だまれ。残念ながらここで契約きか…ごほん。
諸事情があり取材は終了となった。
世界の片隅で今も文明を持たず暮らすフンババ族。
世界の広さにロマンをもってもらえただろうか。