僕の意思なんぞ確かめもせず、きれいなおねーさんは勝手に僕への真実の愛を誓った。
女王に城の中を案内されて、ある程度、わかるようになった。
女王の部屋の隣に連れていかれた。
重い扉を開くと、中には真新しい豪華な家具が入っていた。
僕の部屋だそうだ。すごい豪華な部屋だった。
横の扉を開くと、そこは女王の部屋だった。
淡いピンクの豪華な家具と、いろんなかわいいぬいぐるみがいっぱいあった。
どちらの部屋にも水晶でできたガラスのはいった大きな窓があった。そこはバルコニーになっていて中庭に出られるようになっていた。
僕の衣装タンスには、中世の貴族の豪華な衣装が僕の身体のサイズに合わせて新調されたポイ服が大量にあった。
その夜は大広間に広い机が置かれ、大勢のお客40人くらいとの会食。フルコース。僕はナイフとフォークがうまく使えないので苦労した。割りばししか使ったことないもん。
マナーも全然知らないけれど、まあいいか。
宴も終わり、広い、お風呂屋のような大きなお風呂にただ一人だけいれられて、バタ足で泳いでも叱られなかったので、うれしくてバタ足で泳ぎまくった。のぼせてきたので上がったら、何人もの召使に新しい寝間着ぽい服を着せられた。
そのまま、女王の部屋に通された。
僕が寝るのは女王の部屋なのか?
大きなベッドはふかふかで、幾度もジャンプしても怒られなかった。
しばらくすると、きれいなおねーさん・・・女王がネグリジェ姿でしずしずと現れた。
そして、僕に向かってにっこり微笑むと、ベッドに横になった。
僕もふかふかのベッドでぴょんぴょんするのは飽きたので、横になり、朝までぐっすり寝た。
朝、小鳥の声で目を覚ますと、横にふくれっ面したきれいなおねーさん・・女王が座っていた。
女王は、涙ぐんでいた。非難するような目で僕をみると、宝石を散りばめた金の杖でぽかぽかぼくの頭をたたくと、そのままふくれっつらをして両手で顔を覆って走り去った。
魔法使いの老婆が現れた。女王はその老婆に「彼、私になんにもしなかったの!ひどいわ!」と泣きながらそう訴えた。老婆は言った「あれまあ!」
僕は女王の部屋から追い出された。隣の自分の部屋に行かされた。
はあ、しかし広い部屋だなあ。
これからゆっくり二度寝でもするか。
年取った召使が来たが、なんかピリピリしている。
「女王に夕べは何にもされなかったのですか?」
「うん、僕なんにもしてないよ」
年取った召使は、下を向いて首を振って無言で出て行った。
向こうの部屋で女王が泣いている声が聞こえてきた・・・・・
なんかみんな、僕を避難するような目で見て、ぴりぴりしている・・・・
「僕、なんにもしてないのに・・・・?」