僕「でどうすればいいの?」
赤い魔女「実は、ここから北の湖の岸に2人の男女の悪魔が現れて、その二人が悪魔なのは気でわかるのですが、問題はなんにもして来ないことなんです。」
僕「?」
赤い魔女「ただし、二人とも絶世の美男美女に変身してるんで、それを見た街の人々は、男も女も魅了されて、腑抜けになり、二人のそばへ行って、ただ生気を吸われているんです。そのうち、死ぬでしょうね」
僕「倒せばいいんだね?」
赤い魔女「そうですね。ただ殺意もないし、攻撃もして来ない相手に、なすすべもないんですよ」
僕「よくわからないけど」
赤い魔女「とりあえず、行けばわかりますよ」
女王「ただし、敵を見てはいけません。いくら青き勇者でも魅了されます。目隠しをして、剣にまかせたらいいでしょう。そういう理由で青いペガサスも近くまでしかお送りできないでしょう」
女王は宝石を散りばめた金の杖を振り、青いペガサスを呼んだ。
女王「気を付けて。無事なお帰りをお待ちしてます」
赤い魔女「ご武運を」
僕「いってきまーす」
僕は女王から目隠し用の絹のスカーフを渡された。それを女王は首に結んでくれた。
青いペガサスはひと飛びしてすぐに2人の悪魔のいる湖の岸辺の近くに着いた。
青いペガサスが言った。「目隠しして」
「ほい」僕は首に緩く括ったスカーフを目の高さに括りなおそうとした。
まわりを見ると、100人位の人が目をハートマークにして同じ方向を向いて、呆けたように立っていた。
僕は、そのうちの一番近い一人のおじさんに話しかけた。
「おっさん、なにしてんの?」おじさんは答えなかった。「はぁぁぁ~」ため息だけが聞こえた
見た感じ、もう顔色が灰色に近く、生きてるのも不思議な感じだった。
この人たちはいつからここに立ってるのだろうか?
スカーフを目の高さに括り直し、目隠しをした。
剣を抜き放ち、剣の意思(?)に身を委ねた。
身体は勝手に動き始めた。
どこかを目指して僕の身体は歩き始めた。
しかし、少し歩いて立ち止まり、そこから動かない。
剣は(?)何か困っているようだ。
1時間ぐらいたったけど、動かない。
青いペガサスの声が頭でした。
「敵が攻撃する意思を持っていないので、動けないようですね」
僕「そうなのか。どうすればいい?」
青天馬「敵が別の姿になれば、なんとかなるかもですが」
僕「こいつら、言葉はわかるの?」
青天馬「言葉ですか?通じると思いますが」
僕「じゃあ、変態作戦でいくか」
青天魔「?!」
腹黒田高校1年の田中太郎は目隠しは取らずに青い鎧を脱いで下着も脱いで裸になってフリ珍になった。
尻をふりふり、挑発ポーズをして
「あほ~~ばか~~~〇〇××こ~~~くそ〇××~~~ど〇×〇」
大きな金属音のような叫び声がした。2匹の悪魔は腹を立てたようだ。
剣が反応した。
剣の聖なる力が解放され、悪魔達になにか変化が起きたようだ。
僕には見えなかったけれど、僕が剣を掲げると、遠くにいた悪魔の姿が、絶世の美男美女だった二人の姿がだんだん崩れ始め、二人の口から黒と赤の瘴気が二つ抜け出した。
それはぐるぐると回転し、そのまま僕に襲い掛かった。
僕の右手が勝手に動いて、目隠しを外した。
黒と赤の瘴気の中に、2つの悪魔の顔が見えた。