一番最後になった、コハクの都。
気になってはいたが、女王が「勇者さま、冒険にいきませんか」と言わないので、ファイガと遊ぶことにかまけていた。
女王も4人の魔女もみんな、ファイガに夢中。可愛い可愛いでいつもそばにいる。
そのあとを、ファイガのウンチ食べたさで、地獄の玉ねぎが追っかけてる。
召使たちや兵隊まで巻き込まれて、銀のお城はこの魔法獣ファイガで大騒ぎだった。
女王のサンドイッチは一日、女王は12個作る。僕に1個、玉ねぎに1個、ファイガに10個だ。
以前は僕のためだけに作ってくれてたのに・・・・・・
ファイガと地獄の玉ねぎと追っかけっこをしていて、僕はうっかり僕の部屋の隣の女王の部屋に入ってしまった。女王は留守だった。
そこで、ちいさな戸棚の上に青いペガサスとそっくりの小さな置物を見つけた。
それは陶器でできた見事なそっくりの翼のある天魔だった。
僕は、つい見惚れて、手で触ろうとした。そうしたら手がコンとあたり、ガシャーンとその青いペガサスの陶器の人形は壊れてしまった。
「ああああああ!!しまった!!どうしよう」
僕は家でも母がパートに言った後、学校行く前に、あるいは学校から帰ってから食器を洗うのが僕の分担だったのだけど、よく食器を割った。・・・・自慢できるくらいに・・・・しょっちゅう割っていた。
年寄りの召使がそれに気づいて言った。
「青いペガサスは女王が魔法でその人形に憑依して操っておられたんですよ。あの青いペガサスは青き女王自身だったんですよ。人形が壊れたら、もう女王は青いペガサスを出現させられません。困りましたね」
「えええええ!? あの馬って女王だったの?」
「はい、そうですよ。知らなかったんですか?」
女王が帰ってきたが、陶器の馬が壊れているのを何も言わなかった。
気づかないてことはないだろう?!
僕はどう謝ればいいかわからなくて、バツが悪くてだまっていた。
ファイガは1か月で大人で一人前になってしまった。
まるでスマートな狛犬の様な姿だ。もうあまり狼には似ていない。色は銀色で目は金色の迫力ある顔をしてる。
そのとき、黄の魔女が言った「青き勇者さま、そろそろ私の黄の都の冒険をお願いできますか?」
「叔母様。魔法獣ファイガも育ったようですね。地獄の玉ねぎのタマちゃんもいるし、これで叔母様の冒険も片付けれるかもしれませんね」
「そうね」黄の魔女は嬉しそうにうなずいた。
「つぎの冒険にはファイガが必要なんですか?」
「ですね。あるいは他の魔法道具を取りに行くかする必要がありました。
偶然、あなたになついたとても良い子の魔法獣が手に入りましたが、青き勇者さまはラッキーですね」
「では、黄の都にいきましょうか」
「いこうぜー」黄の魔女は小柄な体につぶらな瞳で元気よく叫んだ。
青き女王と黄の魔女と僕は魔法の鏡の間からコハクに縁どられた大きな鏡を抜けて黄の都市の黄の魔女の広間に降り立った。