吾輩はろなである。名前はまだ無い。
どこで生れたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でわんわん泣いていた事だけは記憶している。
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吾輩はここで始めて人間というものを見た。
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しかもあとで聞くとそれは友達という人間中で一番優しい種族であったそうだ。この友達というのは時々我々を捕まえて遊んでくれるという話である。
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しかしその当時は何という考もなかったから別段優しいとも思わなかった。ただ皆の掌に載せられてスーと持ち上げられた時何だかわくわくした感じがあったばかりである。
続きは本編で
著者:冬目ろな石
題名:吾輩はろなである
値段:670円(税込)