『料理屋【ビストロ ガスパール】。
当店は初め、グレン城下町から程近い
雪山にありました。
今でこそ珍しくもありませんが、
当時はまだレストランは殆どありませんでした。
作り置きの料理を購入するのが主流の時代でしてね。』
『──そして開店から一年後に、
店舗をここ、ガタラの住宅街に移して
営業を続けております。
移設前と比べて、ずいぶん豪奢になった店内に
驚いたお客さんも多かったですね。』
──【シェフは自慢の店を語る】より引用
※この日誌は続き物です!※
同タイトルの前編を先に
お読みになることをおすすめします
ガ:──昔は(客入り)20人とか
ざらだったんですよ。
今じゃ十人もいませんが。
ソ:人気店と言ってもいいような
人数ですわね。
ガ:元、ですね。
ソ:それでも常連さん方からの
根強い人気も感じますし、
やはり閉店宣言の時に
名残惜しまれたでしょうね…
その時の経緯をお聞きしても?
ガ:5周年当日の営業が終わってから、
なんの予告もなく、突然閉店を発表しました。
ソ:まぁまぁ…
ガ:知り合いからはそれなりに惜しまれましたが
一応、表向きは財力が底を突いたという
理由での告知だったので、
なんとなく納得されましたね(笑)
もう一年経つし、言っちゃおうかな…
ソ:あら?ぶっちゃけますか?
┄┄以下ビスガスワールドにおける創作世界的な話…┄┄
(尚且、このインタビューでの初出し設定でした)
ガ:実は去年の秋頃から、
右手の腱鞘炎でまともに
料理できなくなってしまったんですよ。
ソ:料理人の命である利き手をですか…?
それはまた…
ガ:そうですね。あまり続けてフライパンを
振れなくなってしまって、
これは厳しいなー、と。
ソ:あまり無理をなされば日常にまで
支障をきたしてしまいますし、
やむを得ない決断ですわね…
ガ:タイミング的にも
5周年でキリがいいし、
まぁしょうがないかなって。
ソ:これもまた運命の導きといいましょうか…
ときに残酷なことだとしても…
今のガスパール様のお加減はいかがですか?
ガ:閉店して以来、コンシェルジュの
イラーナさんとタヤーカちゃんと
世界一周旅行してたんですよ。
療養がてら、久しぶりに遊びに行こうねって。
ソ:それで世界一周とは羨ましいですわ~♪
(ウットリ)
ガ:実際には金欠じゃなかったですからね(笑)
その途中に気付いたんですけど、
僕、元々両利きなんですよ。
基本は右利きなんですけど
歯ブラシは右手で使えないとか
ややこしいタイプの。※
※この設定はリアルでのご本人準拠だそうです
ソ:あぁ、食事の時だけ利き手が違う方が
知人におりますから、分かりますわ。
ガ:たまにいるみたいですね、このタイプ
ソ:実際に傾向があるかは存じませんけれど
ガスパール様がそのタイプなのは
なんだか納得みが深いです…
ガ:それで思ったのが、
左手も料理で使えるようになれば
少しは楽になるかなって、
そういう旅をしてきたとこですね。
ソ:ということは、
この1年は療養期間にして、
“左手のシェフ”の修行期間でも
あったわけですのね!
ガ:そうなりますね。
<続>