〇月〇日
昨日お母様に言われてた通り、朝食を済ませて足取り重く女王の間へ・・・
少しうな垂れながらお母様のお話を聞いていたのだけれど、次第に頭が上がってきた。
てっきりお説教とばかり思っていた私は耳を疑った。
「ディオーレ。母を見くびってはいけません。」
「ヴェリナード王家の娘として生まれて、将来女王として運命づけられて育ってきた私も、同じように思い悩んだ時期があったのです。」
「私のお母様、つまりあなたのお婆様は生前言っておりました。」
「古いしきたりや体裁に縛られ、お前の気持ちを分かっていながら、その思いに報いる事が出来なかった・・・」
「もし、孫であるディオーレが同じ様に思い悩む時期が来たら、当時お前が望んで止まなかった希望を叶えてあげなさい・・・と。」
最初はうな垂れていた頭も、真っ直ぐにお母様のお顔を見つめながら言葉がでなかった・・・
「一人前の証と、大陸間鉄道のパスポートです。」
「各国の王にお願いして、駅も使える様手配しておきました。」
「私が用意してあげるのはこれだけです。」
「城を出て、一人で旅に出てみなさい。」
「その目で世界を見て回り、名前も知らぬ人々と言葉を交わし、自分の運命から目をそむけず、これからの人生の糧として、将来このヴェリナードの女王となった時に、自分が成すべきと思ったことをしなさい。」
「・・・ディオーレ・・・今のあなたよりも一回りも二回りも成長して戻ってきた時には、冒険のお話をゆっくり聞かせて頂戴。」
今まで見た事のない、お母様の笑顔・・・・
私は涙が溢れて、お辞儀をしたまま頭を上げる事が出来なかった・・・・
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最後までご覧頂き有り難うございますm(__)m
非常に個人的な妄想、物語日記になっておりますが、過去の投稿もご覧になって頂けると幸いです。
それではまた、次回のディオーレ日記でお会いしましょう^^b