本日誌はDQXの二次創作です。
注意!
原作とは異なる設定、独自解釈、独自設定、キャラクターの著しい崩壊等が多分に含まれております。
原作の雰囲気を重視される方はご注意下さい。
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ヴァース大山林のほぼ中央、小さな橋が架かるその場所。
そこにメルーの姿があった。
やっぱり・・・。
「姫様・・・」
「既に知っておられるのですね・・」
お父様から話を聞いたの。
ここで一体何があったの?
今までだって、辛い任務は沢山あったんでしょ?
あなたのおかげで王国は救われたのだし、魔法戦士の仲間だって十分にあなたの痛みを理解してる。たった一人で魔物の大群を一掃した実力も、羨望の対象になっているじゃない。
「・・・姫様は涙を流す魔物を見た事はありますか?」
・・・・・涙?魔物の?
「似たような魔物を討伐する任務は、以前に何度もありました。」
「人としての心も失くし、狂暴な魔物と化した者の討伐・・・」
「しかし、あの時は・・・」
「あの時の魔物は、私が今まで見た魔物と明らかに違っていた・・・」
「一見すれば、魔物の大群が城に攻め入る姿にみえるのだろうが、そうではなかった・・・」
「涙を流し、悲しい叫びをあげながら助けを求め、救いを求めて城に向かう姿・・・」
「人としての心だけが残ってしまった魔物。」
「国を強く思う民の心、女王に仕える魔法戦士の強い心だけが、魔瘴気の影響を受けなかったのでしょうか・・・何故なのか分かりません。」
「魔物は襲ってきたのではない、苦しみ悲しみから解放されたいが為に、自ら私の剣の前に進み出たのです。」
「あの時、本当はどうすれば良かったのか今でも分からない・・・考える間もなく、私は剣を抜いた・・・」
「私の任務は魔物の討伐・・・わたしは魔物を切ったのでしょうか・・・それとも・・・」
「私の剣は・・・国を、女王を、家族を、弱きを守る為日々磨き続けた剣!」
「たった一人で国を救った、気高き魔法戦士の英雄?・・・ちがう!!」
「わたしは・・・」
そうだったの・・・
「姫様。お願いがあります。」
「どうか、姫様の歌を・・・ここでさまよう皆の魂の為に・・・」
「お願い致します・・・」
わかりました・・・
ただし・・・
ここで亡くなった皆の為はもとより、あなたの為に歌います。
「何故です?私の事はいいですから。ここで散っていった者に・・・」
あなたには聞こえないの?
ここにいる皆の声が?
私には聞こえるわよ。
沢山の人々が、あなたの事を思う声が・・・何度も何度もあなたに詫びる声が・・・
ここであった出来事以降、さまよい続けているのは、あなたの方よ!
だから・・・ここで、この場所であなたの為に歌います。
「・・・・・」
・・・・海に生まれ 海に生きる。
それらが我ら ウェディの民。
母なる海に祈りを捧げ
我らは求める 神のめぐみを。
大いなる 海の神よ
我らの命 我らの思い
守りたまえ 清めたまえ・・・・・・。
無数の光の粒が、メルーの体を包み、何かを語りかける様に漂い。
そして、静かに空へと舞いあがっていった・・・。
「みんな・・・ごめん・・・」
「ありがとう・・・ありがとう・・・・」
メルーは顔を覆い、同じ言葉を繰り返しながら、泣いていた・・・
そして私は・・・夕闇の空を見上げ、人の心の輝きを見送っていた。
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最後まで御覧頂き有り難うございますm(__)m
☆女王ディオーレの青春日記☆特別編Ⅱ!第二話と題して、投稿いたしました(*´ω`*)
お時間があれば、過去の日誌を御覧頂ければより楽しめるかと思います。