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怪獣プスゴンとの戦いから時がたち、人々の記憶から忘れ去られようとしていた平和なある日

――――「とつぜん目の前に『山』があらわれた」
そのときの目撃者はみな口をそろえてそう言った

それが新たな怪獣たちの侵略のはじまりだった・・・

【ニュース速報】
｢…繰り返します。近隣の住民はヴェリナード領まで速やかに避難してください｣
けたたましく鳴り響くアラート音
泣き叫び逃げ惑う人々
ジュレットの町を覆い尽くす真っ赤に燃える炎
住宅を一つ一つ踏みつぶす黄色の巨大な身体
画面越しに見た光景は
あの日の憎悪を哀傷を恐怖を僕らに思い出させた

怪獣たちは圧倒的な力と手数で進軍を進める。
あわや拠点への侵入を許すかと思われたその時。
勇ある人類が駆けつけた！

人類と怪獣との戦いが今、幕を開ける！

「クッ……！斬っても斬っても魔物が次から次へと出てくる！」
「ザコばかり倒しても、こうもポンポンと魔物が出てくるんじゃこっちが持たない……！」
「このままじゃあ、ジリ貧じゃ！」
「速いところ親玉を倒さないとこっちがやられる……！」

「増援はまだなの！？」

「本隊はこれより双方に分かれ怪獣陽動作戦を展開する。油断はするな！生きて帰還せよ！これは隊長命令である！」
「了解！」

この写真か？故郷にのこしてきた彼女と撮影した写真だ。俺、怪獣たちとの戦いが終わったら彼女にプロポーズするんだ！

「た、隊長！見てください！地を埋め尽くす程の魔物の大群がすぐそこまでっ！！」

「な、なんだってっ！！この数ではとてもじゃないが我々だけでは太刀打ちできん！」

「ど、ど、どうしますか隊長！」

「やむえん。この砦はもうおしまいだ。撤退する！」

「うわぁぁ～～ん。まだ死にたくないですぅ～～～！！」

迫り来る魔物の軍勢、
この場を乗り切るにはあの技を使うしかない。
だがあの技を使ったらきっと私は消えてしまうだろう。
それでも世界の希望をここで消させるわけにはいかない！
「みんなありがとう、そしてさようなら…解き放つ！」

ギャアアアアアアアアア！！

こうして、アストルティアの平和は守られたのだった…

かつて…風の町アズランは、怪獣プスゴンの脅威に見舞われた…

ドスン、ドスンと地響きが鳴り、迫り来る影

私は逃げる事しか出来なかった

何かに満足して帰ったらしいが
詳しくはわからない

もう二度とあんな恐怖は無いだろう

ぬおおおおお！？あの怪獣たちはなんだ！？まてよ…この先はメギストリス！
誰か！誰か！あいつらを止めてくれー！！

「既にチョッピ荒野が怪獣の襲撃を受けていることは耳にしていると思うが、我が艦隊は海からやつを砲撃しつつ援軍が来るまで戦線を維持しなければならない。そこでだ、君に今回の作戦指揮を任せたい。なぁに、やつを倒せなくても足止めできればそれでいい。」
「はっ！足止めといわず援軍が来る前に仕留めてみせましょう。」

ギャオオオォォオオン！グルォオオォォオオ！

「なんだあれは！報告と違うぞ!!」

「状況をお伝えします！我が軍劣勢！負傷者多数！このままでは…！」
「仕方ない、最終手段だ…『例のアレ』を用意しろ。」
「『例のアレ』…ですか！？しかし博士、あれはまだ実験段階で…！！」
「構わん！責任は全て私がとる！」
「……はっ！ただちに準備いたします！」

プスゴン！？

「おっと今は味方だぜ！
マイ・スウィートハニーを渡すから
助けてって頼まれちまってな

オレは約束は守る主義なんでね

さて…久々に本気を出すとするかっ！！」

カッ！

「こうして今回もアストルティアの平和は守られた…
だが、最終決戦と思われたチョッピ荒野の戦いも、やはりほんの序章にすぎなかった。
巨大隕石とともに新たなる脅威、宇宙怪獣軍団の魔の手が迫っていたのだ！！『怪獣超合戦２　スペースプスゴン』、来年公開！！」

ＡＤ『はいカット！OKでーす！セットチェンジ入りますので30分休憩でーす！』

モーションアクター『お疲れ様でしたー！プスゴンの動きちょー面白かったですー♪』

着ぐるみ職人『おーありがとう、次はＣＧ？がんばってねー』

監督『……あー！ちょっと撮影さーん？ちゃんとキャメラ止めなきゃダメでしょー！』

「カジノ、楽しかった！！」
「少しテラスで休もう」
・
・
「今度は私の方が早く落ちた・・」
「もう一回やろう」
「明日の朝の出発まで、こうやって一緒に居られるのもあと数時間
　このまま、夜が明けなければいいのに」
「そうだね」
「離れ離れになっても忘れないでね」
「もちろん、また、会いに行くよ」

『さぁ、水晶球よ！　呪いに翻弄される二人を映し出しておくれ！！
永遠の愛などと、ぬかしおって～
イヒッヒッヒッヒー...』

呪いを受け姿が日々変わろうとも、運命の輪は二人を絶ち切れない。

｢姿は変わろうと、影の中から貴女と言う光を掴み取る｣
｢姿は変わろうと、光の中に貴方の影を探し出してみせます｣

幾度となくすれ違いそれでも会える事を信じて歩み続ける。

手掛かりは『服装』だけではない。
二人の『思い』もそれなのだ。

君と似た後ろ姿を見つけて何度声を掛けただろう……
「あ、ごめんなさい。人違いです」
その度に謝るのだが、諦めきれなくて何度も同じ事を繰り返す

うぅ…何度目だろうか…
もう自分の顔さえ思い出せない…
もう一度でいいから会いたい…

そんなある日、２人は異変に気がついた

「姿が変わるのが早くなっている・・・！？」

いままで１日ごとに姿が変わっていたのが数時間ごとになり
さらにその間隔は刻々と短くなっていっているようなのだ

「・・・このままでは何が起きるかわからない、急がないと・・・」

「どうしたら見つけられるの…？」

彼を見つけられず、途方に暮れていた彼女は
道中で不思議な本を拾った。

中にはこう記され、
〝運命の人は見つけるのではなく
　あなたの直感でわかるものだ″、と。

「あの時感じたアレって……
　まさかあの人が！？
　私……行かなくちゃ！！」

「あいたたた…この身長だと段差も危険だな。」

「大丈夫ですか？……!!」

「え､､､まさかそのドレス、本当に君なのかい？

　…もう２度と、会えないかと思った。

　やっと、、、見つけたよ。」

「そんなに急ぐなよ。同じ道を進むんだ、一緒に並んで歩こうぜ。
…どんな姿に変わっても、一緒ならすぐ見つけられるんだからさ。」

「…そういうわけで、パパとママの話はおしまい。」

「「…ふーん。だからぼくらも『ぱるぷんて』なんだね。」」

「えっ…？うわああああああ！！」

「『きっと見つけてみせる！』声が聞こえた気がした。ピンクのロングドレス･･･リボンのついた服でよく似合っていた。」

初めて会った時から、彼女を思うと心拍数が上がる。
血管が沸騰し、筋肉が隆起し、体が熱くなる。
いてもたってもいられず、気がつけばあのドレス姿を探して、
筋トレをしている。
ああ、もう、胸のムキムキが止まらない。
どこまで俺の心を狂わせるんだ、この筋肉は。
…いかん、オーガに姿が変わるとこれだから。

「彼をどこに隠したの？答えなさいよ、この泥棒猫！！」
「フフフ…知りたい？いいわ教えてあげる。ただし…この私に勝てればね！！」

「アンタが探してるのはこのアタシさ」
「NO！断じてオ・マ・エじゃない！」
「つべこべ言わずに、さっさとそのドレスをアタシにお寄こし」

「こうして私たちはお互いを見つけることができず　すれ違い続けた・・・

衣装はたった一つの希望ではあったけれど
時の移り変わりと共に　いつしかそれも絶望へと変わろうとしていた・・・」

このごちそうを全部食べれば、
きっともうこのドレスは着られなくなって、
あの人は私を見つけられなくなる…

でも…でも…



さよなら、私の愛しい人…

…もしや！！君は…！あの時の……！？！？

やっと再会できた二人の喜びもつかの間、目の前に妖しい男が現れる。
恐怖に声も出ない二人。それを見て男は愉快そうに話す。
「そう警戒しないでくださいよ、貴方たちのためにこれをと思って来たのですが。」
男はそう言いながら丸い物を取り出す。
それは、真実の姿を映すという　ラーの鏡であった・・・

愛しい君へ。
どんな姿になっても、この恋は諦めない。
しかし君がトロルになった時は驚きました。
いや、外見がどうあれ君への愛は変わらないよ？
でも、トロルになっても愛が変わらないなら、最初からトロルを好きになってもおかしくないよね。
そう思ったら何かトロルもいけるようになっちゃった、どうしよう。

「……ぐすん」

「素晴らしいお話でした…」

「観にきて良かったです…！」

「すごくラブを感じた…」

観た者に感動をもたらした映画祭は大成功を収め、幕を閉じた…