アオマリモの冒険日誌

街談機関　その３　「雪が抱く偽物の奇跡」１５

店主が木の扉を開けると、そこは雑多としか形容のしようがない部屋だった。 机が何個か並べてあるのだが、そのどれもが何かしらの物で山積みになってい...

街談機関　その３　「雪が抱く偽物の奇跡」１４

「…は？卸す？それって、ゴーレックのおっさんの部下とか、宿屋協会の相談役とは別の、何か専門的に世界樹の葉を提供している組織があるってことか？」...

街談機関　その３　「雪が抱く偽物の奇跡」１３

「…そうかい、わかったよ。反省していないようだったら、この先の商談もなしだね。説教して悪かった、もう行っていいよ」 「アイワカリマシタ、イゴ...

街談機関　その３　「雪が抱く偽物の奇跡」１２

「…それで、この土を持って帰ってきたのか」 と、裏クエスト屋の店主は呆気にとられたような顔で言った。 ゴズ渓谷探索の翌日、俺は岳都ガタラの...

街談機関　その３　「雪が抱く偽物の奇跡」１１

先客を追いかけること2～3分。走る音は聞こえるものの、一向に追いつく気配がない。俺は特に足が速いというわけじゃないが、コイツは冒険者の中で見て...

街談機関　その３　「雪が抱く偽物の奇跡」１０

頂上に向かう坂道は雪で覆われていて、先ほどまでの岩道のように雪を避けて進むことが出来ない。だから、この先に進むにはどうしても雪の上を歩く必要が...

街談機関　その３　「雪が抱く偽物の奇跡」９

左腕が痛い。戦闘中は興奮で気付かなかったが、どうも左腕が折れてしまったようだ。 カイザードラゴンをやり過ごした数分後、俺は雪で全面覆われた、...

街談機関　その３　「雪が抱く偽物の奇跡」８

お、口を開いた。氷のブレスとか火炎放射とか、ドラゴンお約束の強烈な攻撃をかまそうっていうのか、と俺が思ったあたりで、その相手は、もっと原始的な...

街談機関　その３　「雪が抱く偽物の奇跡」７

俺は岩陰に隠れたまま、このドラゴンの対応策を考えた。 正面からの戦闘は真っ先に却下した。繰り返しになるが、俺の戦闘力は、そもそもこの渓谷を歩く...

街談機関　その３　「雪が抱く偽物の奇跡」６

そう心の中でぼやいている内に、遂にゴズ渓谷へ続く入り口へ到着した。 気温はさっきからウナギ「下がり」である。既に防寒具は装備済みだが、冷気が生...

街談機関　その３　「雪が抱く偽物の奇跡」５

翌日、俺はグレン城から南へ下り、ゲルト海峡からランドンフットを通って、ゴズ渓谷へ向かってドルボートを走らせた。 俺が採取しなければならない『い...

街談機関　その３　「雪が抱く偽物の奇跡」４

『クエスト名：いやしの雪中花の採取 依頼者：トラム・ベルウッド 依頼概要：数年に一度開花する強力な薬草『いやしの雪中花』を採取してきてほしい。...

街談機関　その３　「雪が抱く偽物の奇跡」３

「1週間で400万？いけるいける」 と、俺から事情を聞いた店主は言った。 このおっさんに会うたび(つまり、「借金取り」に大金を要求されるたび...

街談機関　その３　「雪が抱く偽物の奇跡」２

側溝を奥まで進むと、そこには酒場のような空間が広がっていた。地上のガタラの酒場の半分くらいの大きさだが、山の中だと思えばかなり広い。壁には掲示...

街談機関　その３　「雪が抱く偽物の奇跡」１

岳都ガタラには「スラム街」が存在する。 昔々、オーグリード、エルトナ、ウェナ、プクランド、ドワチャッカ、レンダーシアの6大陸に、大小さまざま...