アオマリモの冒険日誌

街談機関　その７「勇魔跳梁」５２

＊＊＊ 　――〇月×日　土曜日　昼十三時五十五分。 　ガラァァン、ガラァァンと、鐘の音がレンガ街に響いた。 　その鐘は、ダンジョンゴーレム...

街談機関　その７「勇魔跳梁」５１

　俺は腰が抜けたまま、背後を振り返る。そこには、濃い紫色の巨壁があった。 　呪術王の遣わした怪物、あのドラゴンが、邪悪な笑みで俺を見た。 　笑...

街談機関　その７「勇魔跳梁」５０

＊＊＊ 　――〇月×日　土曜日　昼十三時四十分。 　逢魔が時、来る。 　呪術王対策チームの陣取る砂浜に、一人の青年が現れた。ちょっとびっく...

街談機関　その７「勇魔跳梁」４９

　この場合、ジャックの戦闘技術が熟達していなかったのが幸いした――中途半端に戦闘技術があったところで、件のドラゴンはその全てを粉砕するだろう。...

街談機関　その７「勇魔跳梁」４８

＊＊＊ 　『走れ』 　ささやくような女の声があった。 　濃い紫色のドラゴンが呪術王を捕らえ、その身体を口に運ぶ動作を眺めていたとき、不意に...

街談機関　その７「勇魔跳梁」４７

　　魔法構築式に含まれるキーワードから、当召喚系魔法はなんらかの物体に関する召喚である(生物や幻魔・精霊ではない)と考えられる。 　　最終的な...

街談機関　その７「勇魔跳梁」４６

＊＊＊ 　【被疑者セイスケ・イヌイ所有の魔導機械についての調査資料】 　(ドルワーム王立研究院 賢者ティーザより 世界警察 警視長ポポム へ...

街談機関　その７「勇魔跳梁」４５

　「――――――――」 　「自分を悲劇の主人公みたく思い込んで、気に入らない連中をぶっ殺して回って――それでなんになる？ 　　自分で殺した死...

街談機関　その７「勇魔跳梁」４４

　「――貴様、なんなんだ…！！弱いくせに、絶妙なタイミングで邪魔しやがって…！！」」 　そんな台詞を吐く呪術王を見て、段々と恐怖が収まってい...

街談機関　その７「勇魔跳梁」４３

　「…三百万の命を消費して、ようやくか」 　ふいに、男の声が聞こえた。巨大なドラゴンの脇から、見覚えのある緑の髪の男が姿を現した。 　忘れも...

街談機関　その７「勇魔跳梁」４２

＊＊＊ 　結論から言って、二度目の動くレンガ上での行軍は、そう混乱なく終わった。 　当初の俺は、動くレンガたちが要塞のような巨大建築を築くの...

街談機関　その７「勇魔跳梁」４１

　驚くべきことに、怪盗もどきは呪術王探索に進んで協力を申し出た。 　怪盗もどきも、化け狸と同様裏クエスト屋からは見捨てられた。だから俺の道行き...

街談機関　その７「勇魔跳梁」４０

＊＊＊ 　――〇月×日　土曜日　昼十三時前後。 　裏クエスト屋店主との交渉が終わった直後、俺たちは少々の情報交換と、この後の行動について簡...

街談機関　その７「勇魔跳梁」３９

　『私があと少し、この指にチカラを込めれば、君は死ぬ』 　先ほどまでの冷淡さと何も変わらないまま、影は呪術王を殺そうとしている。ギリギリと、...

街談機関　その７「勇魔跳梁」３８

　転生者、そう言ったのか。異世界から来たという呪術王の言を信じた者はほとんどいない。ベリルやメルトアですら真剣に取り合わなかった。 　だというの...