ミラージュの冒険日誌

ショウほど素敵な商売はない（２１）～なりきり冒険日誌【スパスタ職業クエのネタバレ有】

　獣のようなしなやかさで、プレシアンナは四肢を躍動させ、剣を振るった。 　ルシャンは紙一重でそれをかわすと鮮やかに突き返す。身を翻したエリシア...

ショウほど素敵な商売はない（２０）～なりきり冒険日誌【スパスタ職業クエのネタバレ有】

　幕が開く前の舞台を内側から見るというのは、不思議なものだ。 　何度経験しても、そう思う。 　夢の祭典、プクランド・ビッグカーニバル。開演を目...

ショウほど素敵な商売はない（１９）～なりきり冒険日誌【スパスタ職業クエのネタバレ有】

　タン、とシューズが床を叩き、鋭い音を響かせる。 　宙を舞う影は黒のマントに金色の刺繍を施した貴族風の出で立ち。銀の剣を流れるように左右に振って...

ショウほど素敵な商売はない（１８）～なりきり冒険日誌【スパスタ職業クエのネタバレ有】

　薄桃色を基調としたメギストリスの都が夜の黒に染まり、街の灯りが城壁を白く浮かび上がらせた。 　白と黒のコントラストが、闇をより深く演出する。...

ショウほど素敵な商売はない（１７）～なりきり冒険日誌【スパスタ職業クエのネタバレ有】

　人気のない殺風景な広間に冷たい空気が流れる。夜の稽古場に、私の足音が寂しく響いた。 　昼間は多くの役者やその卵たちでにぎわう稽古場も、日が落...

ショウほど素敵な商売はない（１７）～なりきり冒険日誌【スパスタ職業クエのネタバレ有】

　稽古場から、ステップを踏む音が聞こえてくる。規則正しい、リズミカルな震動が、サルバリータの乱れた息遣いを際立たせた。 　ラスターシャは、まだ沈...

ショウほど素敵な商売はない（１６）～なりきり冒険日誌【スパスタ職業クエのネタバレ有】

　彼女の姿を見るのは、随分と久しぶりのように思えた。 　一見すればいつもと変わらない。人を食ったような瞳、口元には柔らかな微笑。 　だが、私の...

ショウほど素敵な商売はない（１５）～なりきり冒険日誌【スパスタ職業クエのネタバレ有】

　図書館を後にし、私は稽古場に顔を出した。 　ドアを開けると、肌寒い外の空気が差し込み、そのままダンスルームに留まった。冷めた空気だ。 　稽古に...

ショウほど素敵な商売はない（１４）～なりきり冒険日誌【スパスタ職業クエのネタバレ有】

　清潔さと古臭さが同居する、広くて狭い空間。天井から釣られたランプが照らし出すのは、モノトーンのタイルだけではない。 　メギストリスの大図書館。...

ショウほど素敵な商売はない（１３）～なりきり冒険日誌【スパスタ職業クエのネタバレ有】

「何があったの！？」 　ダンスルームに駆け込んでくる影があった。サルバリータだ。騒ぎを聞きつけたのだろう。 　部屋に入り、一目で状況を把握する...

ショウほど素敵な商売はない（１２）～なりきり冒険日誌【スパスタ職業クエのネタバレ有】

　クリスレイの舞は、私の目から見ても見事なものに見えた。繊細にして華麗。剣の描く銀色の軌跡が彼女を包む光となって舞を引き立てる。 　他方、プレ...

ショウほど素敵な商売はない（１１）～なりきり冒険日誌【スパスタ職業クエのネタバレ有】

「パッとしないのよね～」 　プレシアンナは剣の先をくるくると回しながらため息をついた。その吐息にかき乱されたかのように、稽古場の空気がどよめく...

ショウほど素敵な商売は無い（１０）～なりきり冒険日誌【スパスタ職業クエのネタバレ有】

　あのコスモダンシングショーからひと月。 　サルバリータの劇団は再び、大きな舞台に向けて稽古に励んでいた。「ああ～、私は誰。私はだあれ。私は私...

ショウほど素敵な商売はない（９）～なりきり冒険日誌【スパスタ職業クエのネタバレ有】

　劇場に歌声が響く。 　天を見つめ、瞳を輝かせる歌い手の名はプレシアンナ。私は立見席からその姿を眺めていた。 『空見る瞳は、その空よりも、も...

ショウほど素敵な商売はない（８）～なりきり冒険日誌【スパスタ職業クエのネタバレ有】

　扉が開くと、緊張の糸が抜け落ちた空気を、風がさらりと流していった。 　プレシアンナが去り、入れ替わりにラスタの元へやってきたのは、クリスレイ...