ミラージュの冒険日誌

流れよ我が涙、と神官は言った(3)～なりきり冒険日誌【ver3.5のネタバレ注意】

「風乗りの少女を連れて祠に向かったとき、貴女はどんな気持ちでいたのです？ 彼女が邪悪なる意志の手に落ちたことは、知っていたはずでしょう」 　そ...

流れよ我が涙、と神官は言った(2)～なりきり冒険日誌【ver3.5のネタバレ注意】

　食堂に心地よい香りが流れてくる。台所ではエルフのリルリラと、彼女が親しく竜族のまかない方、ジュエ氏が忙しくお茶会の準備をしていた。 「天神鹿...

流れよ我が涙、と神官は言った(1)～なりきり冒険日誌【ver3.5のネタバレ注意】

　解放者の帰還と共に、アジトにはどよめきの風が広がった。 　もたらされた数々の報せ、聖塔の解放やエジャルナの異変、邪悪なる意志に関する情報もそ...

剣閃(3)～なりきり冒険日誌【注：ver3.5のストーリーに関する記述有り】

　アジトは陰鬱な雰囲気に包まれていた。 　吊り下げられた照明は頼りなく揺れ、かえって闇を強調した。 　戦火の興奮は潮が引くように失せていき、残...

剣閃(2)～なりきり冒険日誌【注：ver3.5のストーリーに関する記述有り】

　土煙の舞う中、二本の剣が重なり合う。鈍い金属音がムストの地下洞に響き渡った。 　鍔迫り合い。歯を食いしばったヒューザの顔が、同じ表情の私の眼...

剣閃(1)～なりきり冒険日誌【注：ver3.5のストーリーに関する記述有り】

　薄暗い地下空洞に無数の足音が響き、吊り照明の光が揺れた。明暗瞬く灯火が叫喚と混乱を映し出す。 　私は逃げ惑う人々の流れを逆流し、その源へと急い...

白竜(2)～なりきり冒険日誌【注：ver3.5のストーリーに関する記述有り】

　祭壇の間に竜の咆哮が轟き、白い翼が縦横無尽に空を駆ける。羽毛に包まれた竜の肉体は柔らかく斬撃を受け流し、しなやかに敵を撃つ。 　ナドラガの祠...

白竜(1)～なりきり冒険日誌【注：ver3.5のストーリーに関する記述有り】

　鋭くとがった岩が、全てを噛み砕く竜の乱杭歯のようにあちらこちらに入り乱れる。地肌に張り付いた植物の蔦は、さながら口元に浮き出た血管である。 ...

御雷(4)～なりきり冒険日誌【注：ver3.5ストーリーに関する記述有り】

　祠への道行きも半ばを過ぎたころ、嵐と雷の中を疾走するミカヅチマルに、追いすがる影があった。 　妙な話である。打ち合わせでは、我々がしんがりを...

御雷(3)～なりきり冒険日誌【注：ver3.5ストーリーに関する記述有り】

　身を切るような荒んだ風が上空より吹き付ける。石造りの竜頭像は己を削り取らんばかりの烈風に身をさらし、今も健気に祭壇を守っていた。 　その先に...

御雷(2)～なりきり冒険日誌【注：ver3.5ストーリーに関する記述有り】

　神獣との交渉はつつがなく終了した。 　本来、神獣と会うためには力を示すための試練を突破しなければならないのだが、そちらは後詰としてやってきた...

御雷(1)～なりきり冒険日誌【注：ver3.5ストーリーに関する記述有り】

　樹々の合間から、木漏れ日が静かに降り注ぐ。 　その隣で、木漏れ日と見まごうほど透き通った美しい水が流れ落ちていくのを、私は呆然と見つめていた...

竜鱗(2)～なりきり冒険日誌

　バトルロードを突き進むソーラドーラ達に前に立ちはだかったのは、ナドラガンド各領界より招聘された精鋭ドラゴン分隊だった。 　黒翼の邪竜、ブラッ...

竜鱗(1)～なりきり冒険日誌

　リルリラが神鹿伝説を追ってエルトナ大陸に赴き、私が勇者姫と共に修業に明け暮れていたころ、ドラゴンキッズのソーラドーラもまた、別の戦いを繰り広...

練磨(3)～なりきり冒険日誌

　少女は言った。 「どうしてミラージュはヒューザさんに負けたくないの？」 　と。 　改めて問われて、私は戸惑った。何故、と聞かれても……昔...