ミラージュの冒険日誌

王の再起(4)～なりきり冒険日誌【※ver5.1に関する記述有り】

　その日、ユシュカは誰にも会わなかった。 　見回りの兵たちも、誰に頼まれたのか、その日だけは王の部屋に近づかなかった。 　月の光は、ゲルヘナに...

王の再起(3)～なりきり冒険日誌【※ver5.1に関する記述有り】

　妖精が手を振ると、イルーシャは少し疲れた笑顔を返した。リルリラは彼女の傍らに飛び寄った。 「王様、まだ元気でない？」 「ユシュカは今、痛み...

王の再起(2)～なりきり冒険日誌【※ver5.1に関する記述有り】

　砂の都に影が落ちる。バルディアの会戦から一巡り、戦況はやや停滞していた。 　商人として再起を支援する傍ら、私は自分なりに状況を分析していた。...

王の再起(1)～なりきり冒険日誌【※ver5.1に関する記述有り】

　ファラザード宮殿の一角。ベンガルクーンのニェルニャン氏は猫背を丸めながらため息をついた。 　経理事務室の机の上には、赤い棒線が引かれた会計書...

魔界大戦(4)～なりきり冒険日誌【※ver5.1に関する記述有り】

「何だ！？」 　兵たちが騒めいた。 　轟音と共に地が揺れた。禍々しい光が天から注ぎ、全てを蹂躙する。光条が戦場を薙ぎ払う。ファラザード兵が、...

魔界大戦(3)～なりきり冒険日誌【※ver5.1に関する記述有り】

　戦いは続く。 　果てしない戦場の片隅で、王たちの一騎打ちが、まさに始まろうとしていた。 　自ら生み出した氷柱の上に立ち、槍先から凍てつく吹...

魔界大戦(2)～なりきり冒険日誌【※ver5.1に関する記述有り】

　漆黒の鎧が鋼の壁となって押し寄せる。バルディスタを象徴するブラックアーマー。鉄血と暴力が戦場を黒く塗りつぶす。 　岩山に設置された前線基地に...

魔界大戦(1)～なりきり冒険日誌【※ver5.1に関する記述有り】

　二つの太陽が魔界を照らす。 　硝煙と土煙が雲のように地を覆う。 　戦場に数多の星あれど、輝くべき光は一つ。 　鬨の声が空に響き、軍靴の音が大...

邂逅・イバラの巫女(3)～なりきり冒険日誌【※ver5.1に関する記述有り】

　沈黙が続く。私は立ちくらみすら覚えた。 　少なくともこれは……私が手にした中で最大の情報だ。その重大さに、手の震えが止められなかった。 　こ...

邂逅・イバラの巫女(2)～なりきり冒険日誌【※ver5.1に関する記述有り】

　棘のない顔をしている。 　それが彼女の第一印象だった。 　柔らかな銀髪、丸みを帯びた穏やかな瞳。飾り気のない質素なドレスに、たおやかな細腕。...

邂逅・イバラの巫女(1)～なりきり冒険日誌【※ver5.1に関する記述有り】

　その少女は、水晶のように澄んだ瞳で私を……いや、私の手元を見つめていた。 　噴水から流れる水は花模様にも雪結晶にも見えるタイルの上で波紋を描...

ネクロデア探訪(3)～なりきり冒険日誌【※ver5.1に関する記述有り】

　死者の都を歩く。灰まみれの道に足跡がつく。 　いずれ数々の足跡が、灰を彼方に消し去るだろう。 　柱に飾られた仮面がそれを見つめていた。それは名...

ネクロデア探訪(2)～なりきり冒険日誌【※ver5.1に関する記述有り】

　ネクロデアは鉱物資源と鍛冶技術により栄えた街である。中でも暗鉄鉱と呼ばれる希少な鉱石は硬度や加工性だけでなく呪術の媒体としても優れた適性を示...

ネクロデア探訪(1)～なりきり冒険日誌【※ver5.1に関する記述有り】

「ううむ……」 　私はあごに手を当て、その光景を覗き込んでいた。　私の目の前に、二つの仮面がある。 　灰まみれの門に張り付けられたその仮面は...

再び、魔界へ(2)～なりきり冒険日誌【※ver5.1に関する記述有り】

　ゲルヘナ幻野の南西部、今は亡きネクロデア王国との国境付近に、小さな泉がある。 　宝石のように光を放つ鉱石の周りに色鮮やかな花が咲き、清らかな...