ミラージュの冒険日誌

なりきり冒険日誌～アンダーグラウンド・ガタラ（10/12）【盗賊クエストネタバレ有】

　ギラギラと、どす黒くも神々しい輝きが掌の上で揺れる。それはまさに心臓が揺れるような、赤黒の血を脈動させるような蠢きだった。 　チャムールは怯...

なりきり冒険日誌～アンダーグラウンド・ガタラ（9/12）【盗賊クエストネタバレ有】

　火山灰交じりの砂嵐が砂漠の空を暗く染める。灰色の砂漠を駆けていくのは、ダチョウのようなシルエットを持つデザートランナー達だ。１０歩先の景色も...

なりきり冒険日誌～アンダーグラウンド・ガタラ（8/12）【盗賊クエストネタバレ有】

　私が後を追うと、ダルルは既に詰問を開始したところだった。 「何を渡したんだい？ アイツに」 　リルリラは、わけがわからないといった表情で首をか...

なりきり冒険日誌～アンダーグラウンド・ガタラ（7/12）【盗賊クエストネタバレ有】

　再び、岳都ガタラ。町はずれの酒場は今日も賑わう。陽気な酔客達はグラスを鳴らしてメロディなき曲を奏でる。 　その酒場の奥、常に影のかかったテーブ...

なりきり冒険日誌～アンダーグラウンド・ガタラ（6/12）【盗賊クエストネタバレ有】

　興奮した私を我に返らせたのは、盗賊たちの視線だった。洞窟の薄闇から走る、無数の眼光。光とも闇ともつかぬ灰色の視線が、私に突き刺さった。 　それ...

なりきり冒険日誌～アンダーグラウンド・ガタラ（5/12）【盗賊クエストネタバレ有】

　遡ること約一か月。 　旅団によるガタラ襲撃の報を受け、動いたのはダルル盗賊団だけではなかった。 　ドルワームの王立騎士団もまた、事態を重く見...

なりきり冒険日誌～アンダーグラウンド・ガタラ（4/12）【盗賊クエストネタバレ有】

　戦いは一方的なものだった。盗賊たちは次々に得意の爪を唸らせ、旅団の獣人達を蹴散らしていく。 　私もまた、使い慣れた剣の代わりに鞭を振るい、魔...

なりきり冒険日誌～アンダーグラウンド・ガタラ（3/12）【盗賊クエストネタバレ有】

　ダルル盗賊団。それが私の入団した組織の名前である。 　名前からして、まっとうな組織とはいいがたい。 　事実、団員の大半は、脛に傷持つ者である。...

なりきり冒険日誌～アンダーグラウンド・ガタラ（2/12）【盗賊クエストネタバレ有】

　夜。町が寝静まるわずかに前。酒場は大いに賑わう時刻だ。管を巻く酔漢の奇声、アルコールと油の匂いが店から溢れてくる。 　私とイスターが暖簾をく...

なりきり冒険日誌～アンダーグラウンド・ガタラ（1/12）【盗賊クエストネタバレ有】

　石壁を背に、周囲の様子を伺う私の耳ヒレに、乾いた風がひと撫で、触れた。カルサドラ火山のふもとに広がる岳都ガタラには、山頂から熱を帯びた風が吹...

遥かなるロールプレイ

　宴、笑い、探索、思索、戦い、そして勝利。 　楽しいひと時が過ぎ去って、ふと冷静になると、まるで忘れられていた時間を埋め合わせようとするかのよう...

なりきり冒険日誌～達人への道（2/2）

　それは真っ青な星空の下、冷たい砂の大地を睥睨する無言の支配者のようだった。 　古代アラハギーロの墳墓にして遺産。アルハリのピラミッドが私の前...

なりきり冒険日誌～達人への道（１）

　窓の外に広がる美しい光景が、疲れた冒険者の瞳を癒す。水色の空と、鮮やかなライトグリーンの草原がいかにも牧歌的だ。 　風さえそよいでくるように思...

なりきり冒険日誌～渚の踊り子

　夜。ジュレットの街を歩く。 　昼は常夏の日差しに照らされ賑わう町並みも、日が沈み、夜風が吹けば静かなものだ。 　少し前までは凍えるような潮風...

なりきり冒険日誌～強戦士たち（５／５）

　黄昏の色に染まった薄幕に、影が踊る。 　華やかさと裏腹に、哀愁が溢れ出すのは何故だろう。懐かしい記憶が呼び起されるためなのか。影絵という芸術...